「先生、私マイナスの暗示かけてました」精油の効果を左右する”セラピストの言葉”の科学
こんにちは、AromaTime川口三枝子です。
先日のレベルアップ講座で、
ちょっと衝撃的な空気が流れた瞬間がありました。
サロンで働いているセラピストの生徒さんが、
こう言ったんです。
「先生……私、
お客様にマイナスの暗示
かけてたかもしれません」
きっかけは、
私が授業で紹介したある研究データでした。
同じカモミールローマンなのに、体の反応が真逆になった

プラセボ:レベルアップ講座スライドより(一部ぼかし加工)
リラックスの代表格として、
アロマを学んだ方なら、誰もがご存じの精油ですよね。
この香りを、
Aグループには「リラックスできる香りですよ」と紹介し、
Bグループには「ちょっと刺激的で、不安になるかもしれません」と紹介しました。
使った精油は、まったく同じものです。
変えたのは「伝え方」だけ。
ところが——
GSR(皮膚電気反応)で測定した結果、
Bグループは本当に体が不安反応を示しました。
これ、「気分の問題でしょ?」って思いませんか。
違うんです。
機械で測った客観的な数値として、
体そのものが「言葉に反応した」ということ。
この研究結果を紹介した時、
先ほどのセラピストの生徒さんがこう言いました。
「私、お店のブレンドで
グレープフルーツが入ってたりすると
“え、昼にこれ塗っていいのかな”って
自分が思いながら説明してて。
……それってお客様に
マイナスの誘導してたってことですよね?」
Zoomが静かになりました。
「昼にグレープフルーツ、塗っていいの?」問題
ちょっとここで脱線するんですけど、
この「グレープフルーツ、昼に大丈夫?」問題
サロンで働いている方には
ものすごくリアルな悩みだと思うんです。
お店の指定ブレンドに柑橘系が入っていて、
「光毒性が気になるけど……」と
心のどこかで不安を抱えながら施術している。
その「不安」が、
さっきのプラセボ効果の話とまさに繋がるんですよね。
不安を感じながら塗っていたら、
その空気がお客様にも伝わってしまう。
だからこそ、
「正しい知識」があるかないかで
伝え方の自信がまるっと変わるんです。
少しだけ共有させてくださいね。
IFRA基準で見るグレープフルーツの光毒性
ナード協会の基本見解は
「塗布後に直射日光を浴びない」で変わりません。
これは大前提です。
でも、国際的な基準(IFRA)で言うと——
ベルガモット(冷圧搾)は
肌に残すブレンドで「0.4%まで」。
光毒性の原因である「ベルガプテン」が
高い濃度で含まれているからです。
一方、グレープフルーツ(冷圧搾)は
なんと「4.0%まで」OK。
ベルガモットの10倍です。
「え、そんなに違うの?」って思いませんか?
実はナードのケモタイプ精油辞典
(私が”大きい辞典”と呼んでいるもの)の参考資料には
古い基準で0.8%と掲載されているんですが、
その後の研究で
「グレープフルーツにはベルガプテンが
ベルガモットに比べて圧倒的に少ない」
ことが科学的に証明されて、
最新基準では4.0%まで引き上げられています。
つまり、
1%程度のサロンのブレンドオイルなら、
グレープフルーツの光毒性リスクは
かなり低いということ。
こういう「最新の情報にアップデートする」ことが、
現場での自信に直結するんですよね。
先ほどの生徒さんも、
この話を聞いた後にこう言ってくれました。
「じゃあ逆に考えたら、
私の持っていき方次第で
変えられるってことですよね。根拠がわかったから、
もう言葉が濁らないかも。
なんか、すごく勇気が出ました」
……ここなんです。
私がこの話をどうしても伝えたかった理由は。
知識がアップデートされると、
不安が自信に変わる。
自信があると、言葉が変わる。
言葉が変わると、精油の効果まで変わる。
全部つながっているんです。
なぜ女性の方が、言葉に影響されやすいのか

この「言葉で効果が変わる」という話。
実は、特に女性の方が影響を受けやすいことが
研究でわかっています。
理由の一つは、嗅覚細胞の密度。
男性と女性の嗅覚の面積は
実は同じぐらいなんです。
でも、その中に入っている
嗅覚細胞の数が女性の方が43%多くて、
密度は50%近く高い。
私、授業ではこう説明しました。
「ガラケーの写真とスマホの写真、
同じカメラだけど画素数が全然違いますよね。
女性の嗅覚はスマホ側なんです」
ちょっとした香りの違いを
きめ細かくキャッチできるからこそ、
ホルモンバランスの変動にも敏感だし、
言葉による印象にも左右されやすい。
これ、アロマの世界に女性が
圧倒的に多い理由とも繋がっている気がしませんか。
成分だけでは見えなかった「伝え方の科学」
20年以上アロマと向き合ってきて、
「成分を知れば精油がわかる」と
私はずっと信じてきました。
もちろん、それは今も変わりません。
成分の知識は大事。大前提です。
でも、心理学の視点で
「香りが脳と心にどう作用するか」を学んだ時に、
成分だけでは見えなかった景色が
一気に広がったんです。
実は先日のレッスンでは、
この「伝え方」の話だけでなく、
香りが脳と心に作用する
もっと深い研究データもいくつか扱いました。
生徒さんたちが「えっ!?」と声を上げたり、
静かに「あぁ……」と納得したり。
そういう瞬間が何度もあった時間でした。
その話はまた別の機会にお届けしますね。
実際にデータを見ながら
「あぁ、そういうことか!」と
腑に落ちる瞬間を体験していただきたいので。
次の開催情報は、
先行案内にご登録いただいた方から
お届けしています。
▶ 先行案内のご登録はこちら
それでは、また^^
アロマについてもっと深めたい方はこちらの講座へどうぞ!
| 【オンライン・全5回】 精油の成分に 特化して深めたい方は、 植物の処方箋講座(初級講座) |
![]() |
| 【オンライン+スクーリング1回】 フランス式アロマをしっかりと深めたい方は、 ナードアロマ協会認定アロマアドバイザー資格取得講座 |
![]() |

