「セラピストが疲れない」は技術だった。タッチケア講座で学ぶ「オキシトシン」と幸福の循環
こんにちは!植物の「生きる力」を精油の化学成分を通して、効果的にかつ安全で使える精油の使い方をお伝えしています。
AromaTimeの川口三枝子です。
セラピストとして活動されている方や、ご家族のためにアロマケアを学んでいる方から、こんな相談を受けることがあります。
「人を癒したいのに、施術が終わると自分がぐったり疲れてしまうんです…」
こんな経験はありませんか?
その悩み、もしかしたら「気持ち」の問題ではなく、「技術」で解決できるかもしれません。
10月、秋のやわらかな光の中で「タッチケア初級講座」を行いました。
今回参加してくださったのは、多くが緩和ケア病棟などでボランティアとして活動しているメンバーたち。
日々のケアの中で「もっと安全に、正しく、心地よく触れたい」と強く感じ、“ちゃんと学び直したい”と集まってくださった皆さんです。
その静かな決意が、教室全体に穏やかな集中を生んでいました。
1. 「体が楽になった!」— 疲れの原因は“力”ではなく“技術”
タッチケア講座(初級編)で私が一番大切にお伝えしていること。
それは、「腕力や指の力で押さないこと」です。
その代わりに、「自分の『体重移動』と『姿勢』」を使います。
これが本当に、目からウロコ!なんですよ^^

「力」で押そうとすると、自分の手や腰に負担が集中し、セラピスト自身が疲れてしまいます。
でも、自分の体の「重み」をうまく利用して、ゆっくりと体重を移動させるだけで、深く、温かい圧が自然と伝わるんです。
講座を終えた皆さんから、まさにこんな「気づき」の声をいただきました。
「体重移動と目線っていうのを意識してやると、すごく体が楽なんだなって分かりました。今までは自分の手でグイグイやっていたのが、体の使い方で圧をかけられるんだなって」
「体重移動ができるようになると手の動きが自然についてくると分かった」
アンケートにも「(講座で得た一番の変化は)自分の体(特に腰)が楽になったことです」というお声があり、
皆さんがコツを掴んでくださったことが伝わりました。
そうなんです!
人を癒すために、自分が疲弊してしまう必要はまったくないんですよね。
2. なぜ「触れる」と幸福感が生まれるの? “オキシトシン”と癒しの循環
そして、この「疲れないタッチング」は、もう一つの素晴らしい変化をもたらします。
それは、セラピスト自身の「心」の変化です。
皆さんは、「オキシトシン」というホルモンを聞いたことがありますか?
「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばれ、人との温かい触れ合い、
つまり「タッチング」によって分泌されることが科学的にもわかっています。
そして、ここが一番のポイントなのですが…
オキシトシンは、「触れられた側」だけでなく、「触れた側(=セラピスト)」にも分泌されるんです!
しかもセラピスト側の方がより多く!?
すごくないですか?(≧▽≦)
今回の講座でも、まさにこの「癒しの循環」を体現するような感想がありました。
「相手の方が“やる側になった時に気持ちいい”と言っていて、最初は不思議でした。
でも自分も正しい姿勢でタッチしてみたら、あ、自分も気持ちいいんだって分かったんです。」
「タッチケアということに意味を感じました。相手に触れることで、自分の中にも幸福感が生まれるのが分かりました。」
“触れる”という行為は、相手を癒すだけでなく、自分の体や心にも静かな安らぎを返してくれる。
この瞬間、ケアが“ひとりの手技”から“ふたりの対話”へと変わるのです。
3. 私の原点:タッチングが「想いを届ける手段」だと気づいた日
実はこの「癒しの循環」は、私自身がセラピストとして活動する原体験でもあります。
アロマを学び始めた頃、家族に毎晩足のマッサージをしたり、
末期がんだった父に、病室でハンドトリートメントをしたり

特に父は無口な人でしたが、足をさすっていると「よく眠れる」と喜んでくれたり、
看護師さんに「このお部屋は、いい香りね」と褒められて嬉しそうにしたり
その時間を通して、私は「アロマは、“技術”ではなく、“想い”を届ける手段なんだ」と心から実感しました。
そして何より、「父にできることがある」という事実そのものが、不安だった私自身の心の支えになっていたんです。
ケアしているはずの私が、ケアされている
癒しているはずの私が、癒されている
今回、ボランティアという「現場」で同じ想いを抱いた皆さんが集まってくださったことに、
深いご縁を感じずにはいられませんでした。
4. 次の一歩 ― 現場で活かすために
修了後には、「中級コースでさらに深く学びたい」「練習会で続けたい」という
現場を持つ皆さんならではの熱心な声を多数いただきました
(ありがとうございます!)
講師から、皆さんに最後にお伝えした言葉で締めくくります。
「“なんとなく”ではなく、“今日はこれだけ意識してみよう”という小さな積み重ねが、いちばんの近道です。」
「1回1回、意識して繰り返すこと。それが、“伝わる手”を育てていきます。」
おわりに
タッチケアは、技術を超えて“人と人をつなぐ優しい時間”です。
病院でも、ご家庭でも、触れることで生まれる安心と温もりがあります。
これからもAromaTimeでは、学びと実践を通じて、
現場の声に寄り添った“タッチケアの循環”を育てていきます。
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