サイプレス精油の成分による効果効能・使い方「アロマの化学」著者がご紹介します!
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アロマ歴20年、家族の体調不良の一助にと始めたアロマテラピー。植物とタッチングの力に魅了され、事務職から一転して都内アロマサロン勤務、イギリス系最大手協会認定スクールにてアロマ講師を経て、2005年4月AromaTimeオープン。3年後には、雑誌でAromaTimeを5ページ特集。セルフケアの指導に定評があり、フランス式アロマの代表であるナードアロマテラピー協会認定校として、2009年よりスタート。開校10年目の2019年に、セラピスト卒業生の活躍の場として、学生サロンをオープン。初心者からプロのアロマセラピスト育成までを、一人一人に合わせた個別指導に定評あり。
サイプレス精油の成分を切り口にした使い分けを知りたい方向けの記事です。
植物の「生きる力」を精油の化学成分を通して、効果的にかつ安全で使える精油の使い方をブログでお伝えしています。書籍「すぐ使えるアロマの化学」著者のAromaTime川口三枝子です。
我が家のお庭に、日本のサイプレス(=イトスギ)があります。
パッと見た外見は違う感じです。しかし、大木で堂々とした木であること、葉の感じや香りは共通なのです(´艸`*)
AromaTime川口三枝子
サイプレス精油に含まれる成分
サイプレス精油は、鬱滞除去作用のあるモノテルペン炭化水素類が80%以上含みます。
モノテルペン炭化水素類は、冷えやむくみ対策が得意分野です!
AromaTime川口三枝子
むくみや冷えている時によく利用します。
さらに、
女性ホルモンのエストロゲン様作用のあるセドロールを含みます。
更年期の時期の女性には心強い味方になりますよね!
ただし、妊娠中の方やホルモン系のトラブルがある方にはおすすめしていません。
サイプレス精油の利用方法
1の成分でご紹介した通り、冷えやムクミを感じるのときに良く利用しています。
南フランスでは、たくさんのサイプレスに出会いました。旅行中によく歩いたので、毎晩、サイプレス入りオイルで足をマッサージして疲労回復を図り、ずいぶん助けてもらいました。
サイプレス精油には、ピネンが含まれています。ピネンは強壮作用があります。森林浴でいわれるフィトンチッドの効果の成分でもあるのです。森に出掛けると元気をもらえるように、森林浴効果とは元気を回復させてくれる効果です。
リフレッシュして、元気になるサポートをしてくれます。そして、心身のバランスをとるサポートをしてくれるので、季節の変わり目に活躍します。
サイプレス精油の原料になる植物について
サイプレスの学名は、Cupress sempervirens
和名は、西洋イトスギ(糸杉)
サイプレスは、ヒノキ科の針葉樹です。
ヒノキ科といっても、このイトスギ属はうろこ状の葉なので、ジュニパーと違うのが分かりやすいですよ^^
植物を見に行くと、ジュニパーはチクチクとして触ると痛いけど、このサイプレスは手で触っても痛くないよ、とお伝えしてます♪
最近は、クリスマスにお花屋さんで見かけるゴールドクレストがサイプレスの仲間です。こんな葉を見たことがありませんか?
ギリシャ神話とサイプレス
学名のCupressは、ギリシャ神話のキュパリッソス少年に由来します。この少年は、仲良しの鹿を誤って殺してしまったため、嘆き悲しみます。
永遠にこの鹿の死を悼み続けたいという少年の願いを、太陽神アポロンが受けました。このため、少年はサイプレスの木に生まれ変わり、”死者を哀悼する木”となり、墓地に植えられるようになりました。そのため、ヨーロッパでは教会や墓地、公園によく見られます。
sempervirensは、”永遠の命”という意味です。常緑樹は、冬でも落葉しないので、この名前が付けられました。
日本でも同じような意味で、常緑樹は神社などにも沢山植えられていますね。
炎の画家ゴッホの描くサイプレス
画家のゴッホは、サイプレスを好んで書いてました。
”炎の画家”ゴッホと呼ばれますね。それは、このサイプレスの木を”燃える炎”のように描き、そして、この木をよくモチーフにしていたことからなのです。
また、彼の人生そのものが激しい炎のように情熱的だったから、という理由もあります。
ゴッホの人生は37年で幕を閉じましたが、画家を始めたのは26歳からなので、画家として活動した約10年だけです。この10年の間に2,000点もの作品を残しました。
ゴッホの”イトスギ(サイプレス)と星の見える道”は、晩年の代表作の一つです。ピストル自殺をする2カ月前に書き上げた作品です。
夜空は闇を表し、この作品に描かれたサイプレスは、まるで彼の人生の最後の時間や死、希望のないことを表しているかのようです。彼の晩年は精神病院に入院していました。そして、最愛の弟テオへの手紙には、「いつも糸杉に心惹かれている」とし書き残し、サイプレスの姿を「エジプトのオベリスクのように調和がある」と表現していました。絵の中央に、死の象徴であるサイプレスを描いています。
サイプレスを誕生花にした日は、一年の一番最後である12月31日です。
そして、サイプレスの花言葉は、”死”・”哀悼””絶望”です。
このように、サイプレスは死の悲しみや、哀悼を表す木です。
精油を使うときには、悲しみに向き合うときに役に立つ香りなのかもしれませんね。
まとめ
サイプレス精油は、モノテルペン炭化水素類が多く、冷えやむくみ対策が得意分野です。
また、女性ホルモン様作用も含むので、更年期の時期の女性には心強い味方
ただし、妊娠中の方やホルモン系のトラブルがある方にはおすすめしていません。