疲れた日でもすぐできる!自然のチカラ3選|研究でわかった心と体への働き

こんにちは^^
AromaTime 川口三枝子です。
実は私、以前からポジティブ心理学を学んできました。
ポジティブ心理学は、人がどうすればよりよく生きられるのか、幸福感や強みなどを科学的に考える学問です。学ぶことが本当に楽しくて、2023年7月にはカナダ・バンクーバーで開催された国際ポジティブ心理学会(IPPA)の世界会議に参加したほどです!
その中で、私がとくに興味を持ち、もっと深めたいと思ったテーマが、「自然と幸福」の関係でした。
植物や自然に触れることは、私たちの気分や心、体とどう関わっているのでしょう?
このテーマは、アロマを学んできた私にとっても、本当に面白いんですよね^^
以前、レモングラスの収穫祭を開催したときにも、自然とのつながりを楽しむことについてブログに書きました。
今回は新しい「身近な自然の意外な力」シリーズとして、遠くの森に出かけなくても取り入れやすい、3つの方法を研究データと一緒にご紹介します。

疲れた日に、自然の力を借りる3つの方法
- パソコンの画面に自然映像を映す――森や川の風景を眺める
- 机に小さな植物を置く――私のおすすめはローズマリー
- 公園で20〜30分過ごす――歩いたり、木陰でひと休みしたり

自然の力を感じるには、山や森まで行かないとだめ?

川口三枝子
いいえ^^ 画面の緑、机の植物、近所の公園にも、研究のヒントがあるんですよ。
それぞれ、どんな研究があるのでしょうか?
① 画面に自然を取り入れる――映像でも気分は変わる?

仕事の合間、ちょっと自然の景色を眺めたくなることはありませんか?
でも、パソコンやテレビの画面に映る緑でもいいのでしょうか。
2026年・959人の大規模研究
Van den Bergらの研究では、オランダ、ベルギー、英国、スウェーデン、米国の10チーム・計959人が参加しました。
まず、10分間のストレスを感じる映像を視聴。その後、森・川などの自然映像、歩行者のいる街や交通の多い街など、6種類の風景映像のいずれかを見て、気分や身体の反応を比べました。
その結果、自然映像の条件では心理的な回復がより良好になる傾向が示されました。
なんと、画面の自然にも、こんな研究があるんです。
一方で、生理的な反応は指標によって結果が異なりました。画面の自然と本物の森が同じ効果、という意味ではありません。
今日から取り入れるなら
パソコンで森や川の映像を流し、少し仕事の手を止めて眺めてみる。
外へ出る時間が取れない日でも、試しやすい方法ですね。
※この研究は一定時間の風景映像を視聴した実験です。待受画面を一瞬見るだけで同じ結果になるとは確認されていません。
② 机に植物を置く――3分の休憩と小さな緑

机の上に小さな植物が一鉢あるだけでも、職場での気分に違いはあるのでしょうか?
63人のオフィスワーカーを調べた日本の研究
Toyodaら(2020年)は、国内の電機会社の社員63人を対象に、机に植物を置く前後を比べました。
植物のない期間を過ごしたあと、自分で選んだ小さな植物を机に置いて4週間世話をします。疲れたときには、机で3分間の休憩を取ってもらいました。
植物を置いた期間には、休憩中に植物を意識して眺めます。
その結果、不安の程度を評価するSTAIという質問紙の得点が、植物を置いた期間のあとに低下しました。
ただ置くだけでなく、好きな植物を選び、世話をすることも含まれた研究です。
私が机に置くなら、ローズマリー!
ここで私のおすすめは、ローズマリーです^^
細い葉にそっと触れると、すっとした清々しい香りが楽しめます。植物の成長を眺める楽しみもありますね。

この研究、ローズマリーを調べたんですか?

川口三枝子
机に置く小さな植物の研究で、ローズマリーは使われていません。ローズマリーは、私が香りも好きでおすすめしているハーブなんです^^
この研究で調べたのは机上の小さな植物で、ローズマリーの香りの効果を検証した研究ではありません。そこは分けて考えたいところです。
③ 公園で20〜30分――木々のそばで気分転換

「森林浴」というと、遠くまで出かけるイメージがありませんか?
実は、身近な自然の中で過ごす時間について調べた研究もあるんです。
36人を8週間調べた研究
Hunterら(2019年)は、都市部で生活する36人に、8週間、週3回以上・1回10分以上、自然を感じられる屋外で過ごしてもらいました。
場所や時間は本人が選び、歩いても、座ってもかまいません。期間中の複数回、過ごす前後に唾液を採って、ストレスホルモンのひとつコルチゾールなどを調べました。
結果は、自然の中で過ごすこととコルチゾールの低下に関連があり、20〜30分程度で、時間当たりの低下効率が高かったというものでした。
これは、毎日の暮らしにも取り入れやすい時間ですね!
まずは近所の公園から
公園で木々の間を歩く。ベンチで緑を眺める。葉っぱの色や季節の変化に目を向けてみる。
私なら、そこに生えている植物の姿や香りまで気になってしまいそうです^^
なお研究は散歩だけでなく、座って自然を楽しむ時間も含むものでした。「20分歩けば必ずストレスが下がる」という試験ではありません。
自然と幸福の関係は、もっと面白い
今回の3つは、ストレスや気分の回復に注目した研究です。
でも、ポジティブ心理学で私が惹かれた「自然と幸福」というテーマには、まだまだ違う角度があります。
たとえばNisbetとZelenski(2011年)の研究では、身近な自然の中を歩くと、屋内を歩く場合よりも実際の気分が良かったと報告されました。
さらに面白いのは、参加者が自然散歩の気分の良さを、出かける前には過小評価していたこと。
出かける前の予想と、歩いてみたあとの気持ちは違うことがあるんですね。
植物や精油に興味を持つところから、自然と人間の幸福という大きなテーマへ。
そんなつながりを、これからも研究を通して深めていきたいと思っています。
まとめ|自然の楽しみ方は一つではない
画面で森や川を見る。机に植物を置く。近所の公園で過ごす。
自然を楽しむ方法は、いろいろあります。
大切なのは、3つを無理に全部やることではなく、その日、自分に取り入れやすい方法を見つけること。
みなさんなら、どれから試してみたいですか?
「身近な自然の意外な力」シリーズで、これからも自然と幸福の面白い研究を紹介していきます^^
参考研究と関連リンク
- Van den Berg, A. E., et al. (2026). Psychophysiological recovery from viewing nature and urban settings: A multisite replication. 原著
- Toyoda, M., Yokota, Y., Barnes, M., & Kaneko, M. (2020). Potential of a Small Indoor Plant on the Desk for Reducing Office Workers’ Stress. 原著
- Hunter, M. R., Gillespie, B. W., & Chen, S. Y.-P. (2019). Urban Nature Experiences Reduce Stress in the Context of Daily Life Based on Salivary Biomarkers. 原著
- Nisbet, E. K., & Zelenski, J. M. (2011). Underestimating Nearby Nature: Affective Forecasting Errors Obscure the Happy Path to Sustainability. 原著
- IPPA(国際ポジティブ心理学会)2023年世界会議の公式年次報告
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<この記事を書いた人> 川口三枝子(AromaTime主宰)
NARD JAPAN認定アロマ・トレーナー/アロマセラピストトレーナー。アロマ歴28年。著書『すぐ使えるアロマの化学』はロングセラーとなり、台湾語版も発売。AromaTimeスクールチームとして、緩和ケア病棟でのアロマケアボランティアも継続しています。
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