ベルガモットは、ただの柑橘ではありません
ベルガモットは、ただの柑橘ではありません。

ベルガモットと聞くと、何を思い浮かべますか?
アールグレイの香り。
香水に入っている、少し大人っぽい柑橘の香り。
もしかすると、精油の瓶で初めて知ったという方もいるかもしれません。
でも、果物売り場でベルガモットを手に取ったことがある方は、あまり多くないのではないでしょうか。
同じミカン科の植物でも、オレンジやレモンのように「食べる果物」として身近なものばかりではありません。
今日は、アールグレイや香水で親しんできた香りから、ベルガモットの木をたどってみましょう。果物としては見慣れない柑橘が、少し身近になってきます。

ベルガモットって、柑橘の香りですよね?

川口三枝子
そうですね^^ でも「柑橘です」で終わらせるには、ちょっともったいない植物なんです。
果物としてより、香りとして出会う柑橘
オレンジなら、丸い実や甘い果汁をすぐに思い浮かべられます。
レモンなら、料理や飲み物に添えられている姿が浮かびますよね。
でもベルガモットは、少し違います。
私たちはベルガモットを、果物そのものよりも、紅茶や香水の香りとして知っていることが多いのです。
ここが、まず面白いところです。
「柑橘なのに、果物としてはあまり身近ではない」
そう思うだけで、ベルガモットという植物が少し気になってきませんか?
精油の名前を覚える前に、植物そのものへ目を向ける。
植物ストーリーで学ぶアロマの化学では、この入口をとても大切にしています。
ベルガモットの木は、どんな場所で育つのでしょう
ベルガモットは、イタリア南部のカラブリア州と結びつきの深い植物として知られています。
海に近い場所で、強い日差しや風を受けながら育つ柑橘。
そう聞くと、精油の瓶の中にある香りが、少し立体的に見えてきます。
ただ「爽やかな柑橘の香り」と覚えるだけでは見えてこない背景があります。
どんな土地で育った植物なのか。
どんな実をつけるのか。
果皮は、何を守っている場所なのか。
こんなふうに植物へ戻して見ていくと、香りの感じ方が変わってくるんですよね。
注意点も、植物に戻して見ると入口になる
ベルガモット精油を学ぶと、「光に当たるときは注意が必要」という話が出てきます。
アロマを安全に使うためには、とても大切な視点です。
注意事項を確かめるとともに、香りのもとになった果皮にも目を向けてみましょう。
なぜ、ベルガモットの果皮には、そんな特徴があるのでしょう。
植物にとって、果皮はどんな役割を持つ場所なのでしょう。
「注意点」から、「植物は何を守っているのだろう?」へ。
この見方の変化が、アロマの化学をぐっと面白くしてくれます。

注意点の話って、ちょっと怖く感じます。

川口三枝子
怖がるためではなく、理由を知るために見ていきたいんです。植物から見ると、注意点も学びの入口になります。
同じベルガモットなのに、日光への注意が違う!?
アールグレイの香りでおなじみのベルガモット。
実は、同じ果皮から採った精油でも、抽出方法によって光毒性への注意が変わることをご存じですか?
その違いをリールにしてみました^^
なぜ、抽出法で違うのでしょう?
ベルガモットの果皮には、ベルガプテンなどのフロクマリン類が含まれています。この成分は、紫外線に当たったときの皮膚反応に関係します。
- 圧搾法:果皮から搾るため、フロクマリン類が精油に含まれることがあります。
- 水蒸気蒸留法:フロクマリン類は揮発しにくく、精油へ移りにくいため、一般に圧搾油より光毒性への配慮が小さくなります。
- FCFタイプ:フロクマリン類を取り除く処理をした製品です。
肌に使う場合は、抽出法の表示だけで判断せず、製品の成分や使用濃度を確認してください。
同じ植物の精油でも、採り方によって中身が変わる。
精油の化学って、こういうところが面白いんですよね^^
柑橘なのに、落ち着く香りに感じるのはなぜ?
ベルガモットの香りは、柑橘らしい明るさがあります。
でも、それだけではありません。
どこか静かで、落ち着いた印象もあります。
同じ柑橘の仲間でも、オレンジとは違う。
レモンとも、グレープフルーツとも違う。
この「違う感じ」は、成分名を先に覚えなくても、香りを感じるだけで気づけることです。
そして、その違いが気になったときに、初めて成分の話が生きてきます。
植物を見ているうちに、成分を知りたくなる。
この順番で学ぶと、アロマの化学は暗記ではなく、香りへの好奇心から始まります。
オレンジの木を入口に、ミカン科の豊かさを見てみたい方は、こちらの記事も参考になります。
香水や紅茶の向こうに、一本の木がある
ベルガモットは、アールグレイや香水の香りとして知られています。
だからこそ、精油を持っていなくても、どこかで出会っている香りかもしれません。
でも、香りの名前だけで終わらせず、そこに一本の木を思い浮かべてみる。
海辺で育つ植物。
果皮に香りを抱える実。
人の暮らしの中で、長く愛されてきた香り。
そうやって見ていくと、ベルガモットはただの「柑橘系精油」ではなくなります。
この記事のまとめ
ベルガモットは、ミカン科の柑橘ですが、果物としてよりも、紅茶や香水の香りとして出会うことの多い植物です。
果物売り場では見えにくい柑橘を、育つ場所や果皮の役割から見ていくと、アロマの学びが少し変わります。
「植物ストーリーで学ぶアロマの化学入門講座」は、このように植物の姿から、香りと成分への興味を育てていく講座です。
ベルガモットと植物ストーリー よくある質問
Q. 精油を持っていなくても、ベルガモットに親しめますか?
はい。アールグレイや香水など、すでに知っている香りから、そのもとになった植物をたどることもできます。
Q. ベルガモットはなぜ「ただの柑橘ではない」のですか?
ミカン科の植物ですが、果物としてよりも紅茶や香水の香りとして知られてきたこと、育つ場所や果皮の役割に特徴があることから、植物として見るととても面白い柑橘だからです。
Q. アロマの化学が苦手でも、植物ストーリーから学べますか?
はい。成分名を先に暗記するのではなく、植物の姿や香りへの疑問から入ることで、アロマの化学を学ぶきっかけがつかみやすくなります。
精油の成分、暗記するだけになっていませんか?
「なぜ、この香りになるの?」がわかると、いつもの精油がもっと面白くなります。
植物の姿や育つ場所から学ぶことで、苦手だったアロマの化学も、身近な発見に変わっていきます。
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<この記事を書いた人> 川口三枝子(AromaTime主宰)
NARD JAPAN認定アロマ・トレーナー/アロマセラピストトレーナー。アロマ歴28年。著書『すぐ使えるアロマの化学』はロングセラーとなり、台湾語版も発売。AromaTimeスクールチームとして、緩和ケア病棟でのアロマケアボランティアも継続しています。
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