精油の名前の前に、フランキンセンスの樹脂を思い浮かべてみる

精油の名前の前に、フランキンセンスの樹脂を思い浮かべてみる。

ボスウェリアの木と乳香樹脂、TINO。精油名の前に樹脂を思い浮かべる、と書かれた植物ストーリーで学ぶアロマの化学のアイキャッチ

フランキンセンスと聞くと、何を思い浮かべますか?

神聖な香り。

深呼吸したくなる香り。

瞑想や祈りの場面で語られることも多い精油です。

でも、植物からアロマを見ていくなら、そこで終わらせずに、少しだけ視点を戻してみたいのです。

その香りは、木からにじみ出た樹脂から始まっています。

今日は、ボスウェリアの木と、幹からにじむ樹脂に目を向けてみましょう。

TINO
TINO

フランキンセンスって、香りの名前だと思っていました。

AromaTime川口三枝子
AromaTime
川口三枝子

そうですよね^^ でも、その前に「どんな木から、どんなふうに出てきた香りなんだろう?」と見ると、とても面白いんです。

この小さな花も、フランキンセンスです

フランキンセンスと聞くと、樹脂や精油の小瓶を思い浮かべる方も多いかもしれません。

でも、精油のふるさとは一本の植物。花を咲かせる姿を見ると、ぐっと身近に感じられますね。

フランキンセンスの白い花

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フランキンセンスの花を動画で見る

花の写真を見たあとで、もうひとつ確かめたいことがあります。

一般にフランキンセンス精油の原料となるのは、花ではなく樹脂です。「花のある植物」と「精油を採る部位」は、分けて見るのがポイントです。

フランキンセンスと呼ばれる樹脂には、複数のボスウェリア属植物に由来するものがあります。そのため、精油を選ぶ際は学名と抽出部位も確認しましょう。

さらに、同じフランキンセンスでも、抽出方法によって得られる成分や香りは変わります。

抽出方法による香り・成分の違いはこちら

参考:キュー王立植物園:フランキンセンスの樹脂と植物

名前だけでは、樹脂の姿が見えにくい

ラベンダーなら花を思い浮かべやすい。

オレンジなら実を思い浮かべやすい。

でもフランキンセンスは、花や実ではなく、木からにじむ樹脂が入口になります。

透明感のある粒。

少し乳白色を帯びたかたまり。

乾いた空気の中で、時間をかけて固まっていく樹脂。

精油の瓶を見る前に、まずその姿を思い浮かべてみる。

それだけで、フランキンセンスという名前が、少し植物に近づいてきます。

香りの前に、木の傷口を思い浮かべる

フランキンセンスは、よく「乳香」とも呼ばれます。

この言葉を知ると、少し見え方が変わります。

香りのもとは、木の幹からにじみ出る樹脂。

木にとって樹脂は、ただ人間のために香っているものではありません。

傷ついた部分を守るように、外へにじみ出て、空気に触れて固まっていく。

もちろん、植物が何を「考えている」と言い切ることはできません。

でも、植物の側から眺めてみると、フランキンセンスの香りは、単なるよい香りではなくなります。

香りの奥に、木が自分を守る姿が見えてくるのです。

「なぜ?」が生まれると、成分が近くなる

樹脂の粒を思い浮かべると、木と香りのつながりが気になってきます。

なぜ、木から樹脂が出るのでしょう。

なぜ、その樹脂に香りがあるのでしょう。

なぜ、乾いた土地に立つ木から、こんな香りが生まれるのでしょう。

この「なぜ?」があると、アロマの化学は急に身近になります。

成分名を先に暗記するのではなく、植物への疑問から成分に近づいていく。

植物ストーリーで学ぶアロマの化学では、この順番を大切にしています。

TINO
TINO

樹脂を見るだけでも、化学につながるんですか?

AromaTime川口三枝子
AromaTime
川口三枝子

はい。樹脂に興味が湧くと、「この香りは何でできているの?」という成分への入口が自然にできます。

果皮、花、葉、そして樹脂へ

このシリーズのオレンジでは、果皮から花や葉へと目を向けました。フランキンセンスでは、香りのもとが樹脂になります。

同じ精油の小瓶に入っていても、もともとの姿はずいぶん違うのですね。

「植物のどこから来た香り?」という問いで見比べると、別々に覚えていた精油名にもつながりが生まれます。

オレンジと聞いて、実だけを思い浮かべていませんか?

フランキンセンスが、少し近くなる

「神聖な香り」として知っていたフランキンセンスに、樹脂をにじませる木の姿が重なる。そんな小さな発見が、成分を知りたい気持ちにつながります。

「植物ストーリーで学ぶアロマの化学入門講座」では、フランキンセンスも、成分表だけで見るのではなく、植物の姿や背景から見ていきます。

木が樹脂を出すことと、その樹脂に香りがあること。植物への疑問を、香りと成分の学びへつなげていきます。

そこから、「植物からアロマを学ぶって面白そう」と感じていただけたらうれしいです^^

この記事のまとめ

フランキンセンスの香りのもとは、ボスウェリアの木からにじみ出る樹脂です。香りを植物の部位から見比べると、果皮や花とは違う姿が見えてきます。

精油名からではなく、植物の姿から見てみると、香りの印象が少し変わります。

「植物ストーリーで学ぶアロマの化学入門講座」は、このように植物への小さな疑問から、香りと成分への興味を育てていく講座です。

フランキンセンスと植物ストーリー よくある質問

Q. フランキンセンスの香りは、花や葉から採るのですか?
この記事で取り上げているのは、ボスウェリアの木から得られる樹脂です。香りのもとになる部位に目を向けると、精油ごとの違いが見えてきます。

Q. フランキンセンスと乳香は同じものですか?
アロマの文脈では、フランキンセンスは乳香として紹介されることが多いです。この記事では、精油名の前に、ボスウェリアの木からにじむ樹脂としての姿に目を向けています。

Q. なぜ樹脂から見ると学びやすくなるのですか?
樹脂という形を見ると、「なぜ木から出るの?」「なぜ香りがあるの?」という疑問が生まれます。その疑問が、アロマの化学を学ぶ入口になります。

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<この記事を書いた人> 川口三枝子(AromaTime主宰)


NARD JAPAN認定アロマ・トレーナー/アロマセラピストトレーナー。アロマ歴28年。著書『すぐ使えるアロマの化学』はロングセラーとなり、台湾語版も発売。AromaTimeスクールチームとして、緩和ケア病棟でのアロマケアボランティアも継続しています。


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