精油は体の中でどう動く?消化器系と体内動態を学んだナードレベルアップ講座

ナードレベルアップ6期 開催報告
精油名や作用だけでなく、「体に入ったあと」を考えると、使い方の判断が変わってきます。消化器系と体内動態をテーマに、精油を体のしくみから見直しました。
精油を選ぶとき、つい最初に見たくなるのは「何に使える精油なのか」というところかもしれません。
胃が重いとき、食べすぎたとき、お腹が張るとき。消化器系のテーマは、日常の中でも想像しやすいですよね。
でも、今回のナードレベルアップ講座で大切にしたのは、精油名や作用を覚えることだけではありません。
精油が体に入ったあと、どこを通り、どう変化し、どんな注意が必要になるのか。
ここまで見ていくと、精油の使い方はぐっと立体的になります。
ナードレベルアップ6期で「消化器系と体内動態」を学びました
2026年6月27日(土)のナードレベルアップ6期では、消化器系とメタボリックシンドローム、そして体内動態をテーマに学びました。
ナードアロマ・アドバイザー資格講座では、精油の成分や作用、安全性の基礎を体系的に学びます。
一方で、資格取得後に実践を重ねていくと、「この精油を選ぶ理由を、もっと自分の言葉で説明したい」「塗るのと飲むのでは、体への負担はどう違うの?」「薬を使っている方に、どこまで注意したらいいの?」という問いが出てきます。
今回の回は、まさにその一歩先。
消化器系の精油を入口にしながら、吸収、代謝、肝臓、薬との相互作用まで、精油を体のしくみから見直す時間になりました。
消化器系の学びは、精油リストで終わらない
講座では、レモン、カルダモン、ジンジャー、ペパーミント、ローズマリー、セロリ、フェンネル、バジル、ペッパーなど、消化器系と関わりの深い精油を扱いました。
ただし、ここでは講座の中身を全部説明することはしません^^
大切なのは「どの精油が何に良いか」を並べることではなく、その精油が体のどこに、どのようなしくみで関わるのかを考える姿勢です。
例えば、胃の不快感を考えるときにも、胃酸、粘膜、蠕動運動、胆汁、肝臓、腸内環境など、見る場所はいくつもあります。
同じ「お腹のケア」でも、見ている場所が変われば、選ぶ精油も、使い方も、注意点も変わります。
ここが、レベルアップ講座の面白いところなんですよね。
丸暗記ではなく、体のしくみと精油の特徴をつなげて考える。そうすると、精油選びに「理由」が生まれてきます。
TINO:消化器系の精油って、名前と働きを覚えればいいの?
AromaTime川口三枝子:それだけでは少しもったいないんです。どこに関わるのか、どんなルートで体に入るのかまで見ると、精油選びの理由が見えてきます。
「飲む・塗る・香る」は、同じではない
今回とても大事なテーマだったのが、体内動態です。
体内動態というと、少し難しく聞こえるかもしれません。
簡単に言うと、体に入った成分が、どのように吸収され、どこを通り、どう代謝され、どう排出されるのかを見る考え方です。
精油は、香りとして嗅ぐこともあれば、植物油で希釈して皮膚に塗ることもあります。国や流派によっては、経口使用の話題が出ることもあります。
でも、この3つは体への入り方が同じではありません。
口から入る場合、消化管から吸収され、肝臓を通って代謝されます。皮膚に塗る場合は、皮膚というバリアを通ること、そして皮膚そのものにも代謝の働きがあることを考える必要があります。香りとして嗅ぐ場合は、嗅覚や呼吸、脳との関係も関わってきます。
「精油だから自然で安心」と一言で済ませず、どのルートで体に入るのかを見る。
これは、アロマを安全に、根拠を持って使うために欠かせない視点です。
肝臓への負担を、見えないままにしない
講座では、精油を飲むことのリスクについても扱いました。
ここで大切なのは、「飲むことは全部だめ」と単純に言い切ることではありません。
ただ、口から入れる場合は、粘膜への刺激、吸収量、肝臓での代謝、薬との相互作用など、考えるべきことが増えます。
肝臓は、とてもがんばり屋さんの臓器です。
かなり負担がかかっていても、外からは分かりにくいことがあります。だからこそ、精油を使う側が「少量だから大丈夫」と思い込まず、体の中で何が起きる可能性があるのかを知っておくことが大切です。
アロマテラピーは、香りを楽しむものでもあり、暮らしの中で心身を支えるものでもあります。
でも、成分が体に入る以上、体の働きと切り離して考えることはできません。
ここを丁寧に扱うのが、AromaTimeのレベルアップ講座らしいところだと思っています。
薬との相互作用も、プロとして見ておきたい
もうひとつ大切だったのが、薬との相互作用です。
精油を皮膚に塗る場合でも、成分によっては注意が必要なことがあります。
特に、薬を使っている方、持病がある方、妊娠中の方、高齢の方、小さなお子さんには、「香りだから」「少しだから」と軽く見ないこと。
もちろん、怖がらせたいわけではありません。むしろ反対です。
知っているから、落ち着いて選べる。
知っているから、使わない判断もできる。
知っているから、必要なときに医療者へ確認できる。
この判断力を育てることが、資格取得後の学びにはとても大切です。
TINO:知るほど、少し怖くなることもありそう。
AromaTime川口三枝子:怖がるためではなく、落ち着いて選ぶための知識です。使う、使わない、確認する。その判断ができることも、実践力のひとつですね。
レシピの答えより、「考え方」を持ち帰る
レベルアップ講座では、毎回レシピや実践の話も出てきます。
でも、私が受講生さんに持ち帰ってほしいのは、「この症状にはこの精油」という答えだけではありません。
どこに働きかけたいのか。どのルートで使うのか。どのくらいの期間使うのか。相手の体質や薬、生活背景にどんな注意があるのか。
こうした問いを立てられるようになると、精油選びはぐっと変わります。
受講生さんたちも、毎回の学びを自分や家族のケアに落とし込みながら、香り、使用感、体感を記録し、比較し、質問してくださっています。
「正解をもらう」のではなく、根拠をもとに自分で考える。
この積み重ねが、アロマを実践や説明に使える力へ育てていきます。
アドバイザー資格の次に、見えてくる学び
ナードアロマ・アドバイザー資格講座は、精油の基礎を体系的に学ぶ大切な土台です。
でも、資格を取ったあとに実践を始めると、また新しい問いが出てきます。
「この説明で合っているかな」「論文で見た内容を、どう実践に結びつけたらいいかな」「家族やお客様に聞かれたとき、根拠を持って答えられるかな」
ナードレベルアップ講座は、そうした問いを持つ方のための講座です。
資格講座で学んだ成分や安全性を、論文、作用機序、体のしくみ、実践へつなげていく。
今回の「消化器系と体内動態」の回も、まさにその学びでした。
精油を知ることは、植物を知ること。そして同時に、体を知ることでもあります。
植物の香りが、体の中でどう受け取られるのか。そこまで見ていくと、アロマの学びは本当に深くて面白いです♪
まとめ
今回のナードレベルアップ6期では、消化器系の精油を入口に、吸収、代謝、肝臓、薬との相互作用、体内動態の基礎を学びました。
この記事では講座内容をすべて解説するのではなく、「精油を体のしくみから見る」という視点を中心にご紹介しました。
精油を選ぶとき、何に良いかだけでなく、体に入ったあとどう動くのかまで考える。その視点があると、アロマはもっと安全に、もっと根拠を持って使えるものになります。
ナードアロマ・アドバイザー資格を取得したあと、知識を実践や説明につなげたい方にとって、レベルアップ講座はとても楽しい学びの場です。
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<この記事を書いた人> 川口三枝子(AromaTime主宰)
NARD JAPAN認定アロマ・トレーナー/アロマセラピストトレーナー。アロマ歴28年。著書『すぐ使えるアロマの化学』はロングセラーとなり、台湾語版も発売。AromaTimeスクールチームとして、緩和ケア病棟でのアロマケアボランティアも継続しています。
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